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06.教え方 分数その6 (割り算C)

映画『おもひでぽろぽろ』に学ぶ

   

B1-5ユニット(分数の割り算)の

    《情知意サイクル》における 《知》その1

         逆数の存在



「じゃ、また一緒に考えてみようね。どうして、分数の割り算は、割る数の分母と分子をひっくり返して掛けたらいいのかをネ。」

タ「うん。考えよう。考えよう。」


「タエ子は、割り算の本当の意味って知ってる?たとえば、8÷2の本当の意味って?」

タ「8個のリンゴを2個ずつお皿に載せていくんでしょ?」


「さっきはそう考えたわね。」


タ「じゃあ、ちがうの?」


「ええ。よく聴いてね。8÷2の本当の意味はね、8÷2=□ とすると、2×□=8 の□の中に入る数を求めることなの。その計算を、8÷2 と決めるのよ。」

         

タ「そっかぁ。確かに、二四が八だから、2×4=8で、□=4 だわ。割る数に何をかけたら割られる数になるかってことね。」

「そうよ。そういうこと。(割る数)×(割り算の答)が(割られる数)になったらいいのよ。それじゃ、 はどうかしら?」


タ「えーーと…。=□として、割る数と答の□をかけて割られる数1になったらいいのよね。

「そうよ。」

タ「ということは、…

       

こうして 考えたらいいのよね。  だから

□には、 が入るわ。 

ということは、 の答は、 ね。」



      



              

「よくできました!! ネ! リンゴを使わなくても、分数の割り算の答が出せるでしょ?」


タ「ホントだー。じゃあ、  も、この考え方で答を出せるのね。」


「そうよ。でも、それはちょっと待ってね。今はまだ、割られる数は1に限定して、やってみようね。」




こうして、わられる数を1に限定(《ステージ・リミテーシション》)して、いろいろと答を出してみます。

      、…

などなど、すべて、今 の答を求めたのと同じ考え方で、かけ算を基にして、答を出します。

 、…

このようにして、数をこなしているうちに、この考え方に慣れてくると同時に、答がすべて「分母と分子をひっくり返したものになっている」ことに気がつきます。

(《量質転化の法則」》)




タ「そうかぁ。全部、分母と分子をひっくり返した数になってるのね。」


「そうなの。ある数と掛け合わせると1になるような数のことを、元の数の『逆数』っていうのよ。『逆数』って10回言ってごらん。」

タ「逆数、逆数、逆数、……、逆数。」

「いい声ね。元気があってステキ。何か分数があったら、その『逆数』っていうのは、分母と分子をひっくり返せばいいのネ。

じゃあ、 の逆数はなぁんだ?」

タ「分母と分子をひっくり返せばいいのね。 ね。一発だわ。」

「ピンポーン!  じゃあ、 の逆数はなぁんだ?」

タ「分母と分子をひっくり返せばいいのね。 ね。」

「そうよ。ただし、分母の1は省略しようね。」

タ「そうか。 の逆数は、3ね。」




このようにして、今度は、適当な分数を持ってきて、分母と分子をひっくり返して逆数を求める練習をします。




「じゃあ、分数とその逆数をかけて、さっきのこと確かめてみようか。

たとえば、 があるわね。これと、その逆数を掛け合わせると…?」

タ「かんた〜ん。1だわ。うん。確かに、どんな分数でも、逆数と掛け合わせたら1になってるわね。」




(この「掛け合わせると1になる」ということは、正の数・負の数の割り算をするとき、必要になるのです。)




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