専 用 コ ラ ム       数学教育アカデミー
TOP > 一般コラム > 専用コラム
05.教え方 分数その5 (割り算B)

映画『おもひでぽろぽろ』に学ぶ


B1-5ユニット(分数の割り算)の

   《情知意サイクル》における《情》

      分数で割ることのリンゴでの意味づけ



姉  「分母と分子をひっくり返してかければいいだけじゃない。学校でそう教わったでしょ?」

タエ子「う、ん。」

姉  「じゃあー! どうして間違ったの!?」

タエ子「分数を分数で割るって、どういうこと?」

姉  「え?」

そこで、タエ子は紙をとってりんごの絵を書きます。

                          

タエ子「 個のりんごを   で割るっていうのは、

個のりんごを4人で分けると1人何個かってことでしょ?

あなた「すごいわねえ。タエ子ちゃんは、(分数)÷(分数)の意味から考えていたのねえ。エライわ。それで、学校では教えてもらわなかったの?」

タエ子「うん。」


「じつはね、 個のりんごを  で割るっていうのは、

個のりんごを4人で分けると1人何個か

ってことじゃないのよ。」
「えーーっ? じゃあ、 個のりんごを で割るってどういうこと?」


「うん。それじゃあ、(分数)÷(分数)の意味をりんごで考えてみようね。

ただしネ、 個のりんごを で割るっていうのは、これは難しいのよ。リンゴで考えて答を出すのは、大人だってすぐには分からないわ。こういうとき、つまり難しすぎて意味が分からないときは、やさしいものに制限して考えるってことが大切なの。

そこで、 個じゃなくて1個のリンゴにしてみようね。いいかな?」

「うん。わかった。1個のリンゴを で割るって考えてみるのね。」

「そうそう。そのとおり。さあ! で割るってことの意味は分かるかな?」

「ええっと。1個のリンゴを で割るっていうのは、

1個のりんごを4人で分けると1人何個かってこと…、かな?」

「じゃ、ないのよ。 そこで、もっと簡単な場合を考えてみようね。8÷2はどうかしら?」

「4よね。これなら簡単だわ。」

「それを、リンゴではどう考える?」

「8個のリンゴを2人で分けると1人何個か…、でしょ?」

「そうね。ところが、ここでは、別の考え方をするほうがいいのよ。この割り算の意味をリンゴで考えると、2通りの考え方ができるの。タエ子が言ってくれたのはそのうちの一つね。もう一つ別の考え方は、こうよ:

8個のリンゴを2個ずつお皿にのせていくとお皿は何枚必要か?」






「8個のリンゴを2個ずつお皿に載せていくと、お皿は4皿いるわ。これが、8÷2=4の意味ね。 

すると、 も同じように考えたらいいんだ。

1個のリンゴを 個ずつお皿に載せていくと、お皿は何枚必要か?」

「そういうこと。それが、 の意味よ。どう?お皿は何枚いる?」

「絵をかけば簡単ね。



4皿だわ。

     そうかー。それで、 =4なんだ。」

「よくわかったわね。じゃあ、 だと、どう? お皿は何枚いる?」






    こういうことだから、3皿ね。スッキリ!」

「ね。こうして考えれば、簡単でしょ?」

「ねえねえ、お母さん。じゃ、2÷ もリンゴでできるのかな? 2÷ は?

    3÷ は?  もできるのかしら?」

「待って待って。タエ子。お母さんついていけないわよ。じゃあ、 だけ見てみようか。」

「お母さん、待って。私、考えてみる。えーと、2個のリンゴを 個ずつ切り取ってお皿に載せていくと…。

う〜ん。  お母さん、 個って、どうとったらいいの?」

「タエ子は鋭いわね。この個 っていうのは、『1個のリンゴの 』ってことなの。」



「そうか。すると、

  

こう分けたら、お皿は3皿だわ!」

「ピンポーン。」

「じゃあ、 は、 個のリンゴを 個ずつ切り取ってお皿に載せていくと、お皿は何皿必要かってことね。」

「そうなの。意味がわかったでしょ? でもね、これをリンゴで考えていたら、とんでもない遠回りをすることになるの。だから、リンゴで考えるのは、ちょっと横においておいて、もっと簡単にできるやり方を勉強していこう。」

「お母さん。もしかすると、それって、分母と分子をひっくり返してかけるってやつ?」

「タエ子はもう学校で習ったから知ってるのよね。」

「でも、どうして分母と分子をひっくり返してかければいいのか、その理由が分からないのよ。」

「そうかぁ。それで、タエ子は、理由が納得いかないから、この間のテストでもそれを使わなかったのね。」

「うん。理由が知りたいのよ。」



 。。。。。。。。。。。。。。。。

 。

 。

このページのTOPにもどる 算数・数学のコラムメニューにもどる