進むのを焦って、早く数字の式の足し算に入ってしまってはいけません。

先ほど言ったロケットやキャラクターなどの「具体物」で十分に足し算の意味を体感させましょう。

それを繰り返し何枚もやって、なれてきたら、キャラクターの「絵式」の下に、数字を使った「数式」をあわせて書きます。そして、答えを数字で書かせます。

それにも慣れててきたら、「絵式」よりも「数式」の方を大きくします。

こうやって、抽象的な数式にスパイラルアップしていくのです。(バリエーショナル・スパイラルアップ)

ところで、「範囲の限定」もしておきましょう。

まずは、足して5までの数になるような2数の足し算です。(同時に5の分解が行えます。)

足して5を超える数については、「5」を一つの固まりとしてまとめてしまいましょう。

たとえば、3+4=7 なら、3と4を足すと、まず5の固まりができて、そのあと2残る。こんな具合です。

こうして、足し算の範囲が、足して10までの数になるような2数の足し算にまで広がります。

これらを一つ一つ繰り返し行って、「知」的理解ができると(すなわちここまでは、キャラクターなどのイメージ絵式が必要です)、次は、「数式」だけで計算練習を行って「意志」の力で計算力をつけていきます(すなわち抽象化された数の世界で自動計算処理を行う練習をするのです)。

さらに難関が待っています。

足して10を超える計算です。「9+」から行くのがよろしい。正方形の部屋が5個ずつ縦に2列並んだ10個の部屋の絵を描きましょう。そこに9個キャラクターなどを入れていきます。すると、空き部屋が一つ残ります。

9+4 なら、4のうち1を空き部屋に入れると10の固まりができる、そして3残っているから、答えは13。

この作業を「絵式」で行うのです。これが「情知意サイクルの情」です。

子供が納得がいくということが、このステップでは大切です。

納得がいったら、バリエーショナル・エクササイズを繰り返しながら、「知」を耕していきましょう。そうして、バリエーショナル・スパイラルアップによって、抽象的な数式にスパイラルアップしていき、2桁+1桁の足し算が数式だけでスラスラできるようになるまで「意志」を使った練習を繰り返しましょう。

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